βグルカン広告の問題点 (1)
βグルカン・サプリメントの選び方を解説しているホームページは数多く展開されているようですが、殆どの販売店の宣伝は自己中心的で非科学的な比較に終始しています。「水溶性」「微粒子」などといった一見はもっともらしいが、根拠の無い空想に近い理論や作られた噂のレベルの"論説"が"伝説"へと簡単に昇華されているのです。これらの低レベルの販売店では、商品のレベルも低いものの、何が何でも自社自店のβグルカン・サプリメントが最高の商品であると大々的に派手な宣伝広告を展開しています。
確かに、熱湯でキノコを煮出すことでしかβグルカンを摂取できる食品が無かった前時代では、珍しいキノコ(アガリクスやハナビラタケ、鹿角霊芝)が奇跡のキノコとして重宝がられたのも当然かもしれません。しかし、現代のバイオテクノロジー
はパン酵母からのβグルカン抽出の技術を飛躍的に向上させたために、今やパン酵母βグルカンに匹敵するキノコはあるはずも無いのです。これは、ハナビラタケやチャーガ、鹿角霊芝などのキノコにても同様です。
パン酵母と同じ酵母菌を原料としていても、黒酵母エキスとして抽出される黒酵母βグルカンは、極めて効率の悪いβグルカンと言わざるをえません。内実は、市販されている黒酵母エキスに含まれるβグルカンが総じて約1%前後と非常に少なく、含まれるβグルカンの総量が極めて少量であることです。
これほど非効率な低純度βグルカンながら、黒酵母エキス販売店にかかると現代の最新技術であるかのごとく賞賛されます。非科学的な「水溶性」や「菌株種類」の宣伝は噴飯モノですが、堂々と述べると空論でさえもそれなりの説得力を持っているから不思議です。勘違いしてしまう消費者が後を絶たないことも、頷けます。
キノコβグルカンを含め過去に遡ってさえもこれほど非効率な健康食品サプリメントは例が無いのですが、非効率で品質が悪くとも新技術というだけで、”ネットワークビジネス”による紹介手数料半場で大量に流通販売されています。
特筆されるのは、「黒酵母βグルカン=水溶性βグルカン」という高分子化学の常識を無視した架空の物質の性質を創造して宣伝に利用していることでしょう。「黒酵母エキスは水溶性βグルカンだから優れている」という根拠の無いマヤカシが繰り返し各所で述べられています。単に薄いβグルカン水溶液(約1%前後)を「水溶性βグルカン」と呼んでいるそうですが、その優位性を証明する検証データは無いのです。
パン酵母βグルカンには参考となる70年以上の歴史と実績が有る一方で、実績無く論拠も乏しい黒酵母βグルカンは海外では全くに相手にもされていない存在なのが本質を示しています。
消費者にとっては迷惑な「問題のあるβグルカンの選び方」なのが真実と言えます。
本当に価値のあるβグルカンを見抜く知識とは、溢れる誘導宣伝を見極めて、品質の低いサプリ、不当に高い値段のサプリを、正しく比較して見破る力です。
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